えのころぐさ (狗子草)
学名 |
Setaria viridis |
日本名 |
エノコログサ |
科名(日本名) |
イネ科 |
日本語別名 |
エノコグサ・エヌノコグサ、ネコジャラシ、ネコノオ、ケムシ、トトアワ、ネコノシッポグサ、ノアワ、ハグサ |
漢名 |
狗尾草(コウビソウ, gŏuwěicăo) |
科名(漢名) |
禾本(カホン,héběn)科 |
漢語別名 |
莠(ユウ,yŏu)・穀莠子、葽(ヨウ,yāo)、光明草・光明子、狗毛尾 |
英名 |
Green bristlegrass, Green foxtailgrass |
2004/07/13 新座市中野 |
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2007/12/26 小平市花小金井 |
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辨 |
アワ属(エノコログサ属) Setaria(狗尾草 gŏuwěicăo 屬)には、世界の熱帯・亜熱帯に約100種がある。
S. arenaria(斷穗狗尾草)
ヒメササキビ S. barbata 熱帯アジア・アフリカ原産
イヌアワ S. chondrachne(莩草)
S. excurrens var. leviflora (光花狗尾草)
アキノエノコログサ S. faberi(大狗尾草)『中国雑草原色図鑑』323
S. forbesiana (西南莩草)
フシネキンエノコロ S. geniculata (莠狗尾草)亜熱帯原産
S. guizhouensis(貴州狗尾草)
フシネキンエノコロ S. gracilis(S.geniculata) 熱帯アメリカ原産
S. intermedia(間序狗尾草)
アワ S. italica(粱・小米) エノコログサの栽培品。
コツブキンエノコロ S. pallide-fusca (褐毛狗尾草・莠狗尾草)
ササキビ S. palmifolia (棕葉狗尾草・澀船草)
フシネキンエノコロ S. parviflora
コササキビ S. plicata(皺葉狗尾草・馬草・爛衣草)
『中国本草図録』Ⅹ/4914・『中国雑草原色図鑑』322
キンエノコロ Setaria pumila (S.glauca;金色狗尾草・金狗尾)『中国雑草原色図鑑』322
ザラツキエノコログサ S. verticilata(倒刺狗尾草) 南ヨーロッパ原産
S. viridis
エノコログサ var. viridis(狗尾草)『中国雑草原色図鑑』322
ムラサキエノコロ f. misera 花穂の剛毛が紫褐色。
ハマエノコロ var. pachystachys(厚穗狗尾草)
var. pycnocoma(巨大狗尾草)
S. yunnanensis(雲南狗尾草)
アワ属 Setaria はアフリカのサバンナ帯に豊富に出現するが、その大部分は多年生で、亞不倫では栽培化されなかった・・・インド、とくにインド西北部に広がる乾燥地帯、サバンナまたは
thorn bush(有棘灌木林)の地帯もまた、多数の Setaria 類が自生している。そこの Setaria には、アフリカと異なり、一年生の種類が圧倒的である。・・・インドこそは
Setaria を栽培化した故地として、最上の条件をそなえた地域といいうる」(中尾佐助「農業起源論」)。
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イネ科 Poaceae(Gramineae;禾本 héběn 科)については、イネ科を見よ。 |
訓 |
和名エノコログサは、「狗(え)の子の草」の意、ロは親愛を示す接尾詞。穂が犬の尾に似ていることから(漢名同)、或は毛の多い穂が子犬を思わせることから。またエノコロコロとは「犬よ来い来い」の意ともいう(以上、『日本国語大辞典』二版)。
別名ネコジャラシは猫じゃらし。 |
『倭名類聚抄』狗尾草に、「和名恵沼能古久佐」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』狗尾草に、「ヱヌノコグサ和名鈔 ヱノコグサ古歌 ヱノコログサ今名 トウトウグサ備後。狗子ヲ方言ニトウトウト云 トウトウボ備中 スゞメノアハ イノヂアハ水戸 イノコグサ長崎 イヌグサ泉州 ヱノコボ讃州 カニグサ長州 トゝコグサ防州。方言ニ犬ヲトゝト云 ヲヤリ秋田 イヌコロコロ肥前 カイルトゝラ丹波」と。 |
漢名の莠 yŏu は、草は秀でて実らないので、故に字は秀に従う、と(本草綱目)。
葽は、遠志(イトヒメハギ)の意味では yăo と、狗尾草(エノコログサ)の意味では yāo と読む。 |
アイヌ名はチャッペ(猫)。 |
説 |
ユーラシア大陸に分布。日本のものは、野生であるかどうか厳密にはわからないと言う。 |
誌 |
全草・花穂・根・種子を薬用にする。 |
2023/10/12 植物多様性センター |
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